2023年6月7日水曜日

賃金等請求事件/住友生命保険(費用負担)事件・京都地判R5.1.26労判1282-19

 賃金控除が一部違法として、賃金支払義務一部認容、不当利得返還請求一部認容。

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2 争点1(賃金控除に関する本件協定の有効性)について

(1)Yは、組合との間で、営業職員の給与から、

「募集資料等有料物品購入代金」

「市場対策・販売促進経費個人負担金」

「通信教育経費および各種受験経費個人負担金」

「会社設備使用時の個人負担金」

「会社が認めた諸研修会費」

など、所定の費目を控除することができる旨を定めた本件協定を締結しており、これが労働基準法24条1項ただし書の「協定」に該当すると主張するのに対し、Xは、本件協定は、使用者が負担すべきものを労働者に負担させており、かつ、その具体的費目や金額が特定されていないから、事理明白なものであるとはいえず、無効であると主張する。

そこで、本件協定が事理明白なもので有効といえるかについて検討する。

(2)賃金は、直接労働者に、その全額を支払わなければならず(賃金全額払の原則。労働基準法24条1項本文)、使用者が賃金支払の際に適法に控除を行うためには、書面による協定が必要である(同項ただし書)。賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものである。

同項ただし書については、購買代金、社宅、寮その他の福利、厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なものについてのみ、労使協定によって賃金から控除することを認める趣旨であるとされ、少なくとも〔1〕控除の対象となる具体的な項目、〔2〕各項目別に定める控除を行う賃金支払日が記載される必要があると考えられている(昭和27年9月20日基発675号、1999年3月31日基発168号。甲20)。そして、ここでいう事理明白であることについて、厚生労働省は、社宅や寮の費用など、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものを意味するとし、例えば、労働者が自主的に募金に応じる場合にはその募金額はこれに該当すると考えられる一方で、募金に応じる意思がない労働者の賃金から義援金として一律に控除することは認められないと解している(乙27参照)。

以上を踏まえると、事理明白なものとは、

労働者が当然に支払うべきことが明らかなものであり、控除の対象となることが労働者にとって識別可能な程度に特定されているものでなければならない

が、

労働者がその自由な意思に基づいて控除することに同意したものであれば、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものに該当すると認めることができ、上記規定に違反するものとはいえない

と解するのが相当である。

(3)これを本件についてみるに、

機関控除金に係る物品代及び会社斡旋物品代は本件協定に定める項目のうち「募集資料等有料物品購入代金」に該当し、

異業種交流会兼名刺交換会の費用は「市場対策・販売促進経費個人負担金」に該当し、

本件携帯端末使用料は「会社設備使用時の個人負担金」に該当し、

JAIFA年会費及びオール住生会会費は「会社が認めた諸研修会費」に該当するとみることができ、

控除の対象となることが労働者にとって識別可能な程度には特定されているものと認められ、また、控除される賃金支払日も「毎月24日」と定められている(乙9)。

そうすると、上記控除対象項目が、労働者がその自由な意思に基づいて同意したものであれば、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものとして、上記規定に違反するものではないといえる。

(4)したがって、本件協定は、労働者がその自由な意思に基づいて同意したものに適用する限りにおいては、事理明白なものであり、有効であると認められる。

3 争点2(賃金から経費を控除する合意の存否及びその有効性)について

本件協定は、労働基準法24条1項ただし書の協定として、同項本文の原則違反を免れさせるものであるが、労働契約上、賃金からの控除を適法なものとして認めるためには、別途、労働協約又は就業規則に控除の根拠規定を設けるか、対象労働者の同意を得ることが必要である。

Yは、Xとの間の合意の存在を主張するので、以下においては、上記2で判示したところを踏まえて、XとYとの間で、Xの賃金から本件費用を控除することについての合意の存否及びその有効性について検討する。

(1)本件合意の存否について

略 事実認定で合意を否定

(2)費用負担に関する個別合意について

ア Xは、労働契約において労働者に費用負担をさせることは、憲法、民法、労働基準法に反するものであって許されず、違法であると主張し、これに沿う意見書(甲101)を提出するので、以下検討する。

まず、上記意見書は、営業職員に対し、事業遂行上発生する営業活動費を原則として全額負担させることの適法性をその検討事項とするものであるところ、本件においては、前記(1)で判断したとおり、営業活動費をXの負担とする旨の本件合意が成立したとは認められず、問題となるのは、各物品の購入等に係る個別合意の適法性ということになる。

イ Xは、労働契約上、労働者が生み出す成果を使用者に帰属させつつ,その対価として労働者に賃金請求権を肯定する一般雇用原則が存在することを根拠に、使用者の指揮命令下における事業遂行のために生じた費用は使用者が負担すべきであると主張する。

しかしながら、上記原則をもって使用者と労働者の個別合意により事業遂行上の費用の一部を労働者の負担とすることが直ちに排斥されるとまではいえず、むしろ労働基準法89条5号のように、就業規則によって労働者に費用負担をさせる場合があることを定めた条項が存在することからすれば、使用者と労働者との間の合意によりこれを定めることも許容されているというべきである。 

ウ Xは、報償責任原則及び危険責任原則からすれば、特段の事情がない限り、業務遂行費用は使用者が負担すべきであると主張する。

しかしながら、上記アと同様に、これらの原則をもって使用者と労働者の個別合意により事業遂行上の費用の一部を労働者の負担とすることが直ちに排斥されるとまではいえないと解される。

エ Xは、委任契約における費用償還規定(民法650条1項)の法思想が労働契約に及ぶことを主張の根拠に挙げるが、同規定は任意規定であり、当事者間の合意による排除も可能であるから、同規定の存在により、費用負担に関する個別合意がおよそ違法になるとはいえない。

オ Xは、Yが業務遂行費用を営業職員に負担させることは、労働基準法16条及び24条1項に違反するものであり、同法89条5号の適用範囲は制限すべきであると主張する。

しかしながら、業務遂行費用の負担に関する個別合意は、違約金を定め、損害賠償額を予定する契約とは異なり、必ずしも労働者を身分的に拘束したり、労働者に過度な負担を負わせるともいえないから、個別合意をすることが直ちに同条の趣旨に反するとまではいえない

また、労働基準法24条1項については、前記2で判示したとおり、労働者がその自由な意思に基づいて同意したものであれば、労働者に費用負担をさせても同項違反となるものではない。

カ Xは、営業職員にだけ費用負担をさせるのは社会的身分に基づく差別又は性差別であり、公序良俗に反して無効であると主張する。

しかしながら、本件において、Xを含む営業職員の負担とされている費用は、保険契約の締結及び保全に向けた営業活動に伴い生じる費用であって、営業職員以外の職員とは、その職務の内容に応じて違いを設けているものであるから、社会的身分又は性別に基づく不合理な差別であるとは認め難い。

キ 以上によれば、Xの主張はいずれも採用できず、本件費用の負担に関する個別合意の締結が、直ちに憲法、民法、労働基準法に違反し、無効となるとはいえないと解される。

ク もっとも、賃金全額払の原則の趣旨とするところに鑑みれば、賃金からの控除が適法に認められるためには、労働者がその自由な意思に基づいて合意したものである必要があるというべきである。そして、本件においては、Yは、Xを含むYの全従業員(管理監督者等の一部の従業員を除く。)が加入する組合との間で、本件協定を締結しているものではあるが、そのような経緯があっても、控除の対象が、使用者から義務付けられ、労働者にとって選択の余地がない営業活動費である場合には、自由な意思に基づく合意とはいえず、賃金からの控除は許されないものと解される

(3)各費用に係る個別合意の存否及びその有効性について

そこで次に、Xの賃金から控除されている本件費用の各費目について、上記(2)クの観点を踏まえながら、XとYとの間でその旨の個別合意が有効に成立しているといえるかについて検討する。

ア 本件携帯端末使用料(2012年10月分から2018年6月分まで)について

前記認定事実によれば、本件携帯端末は、保険商品の設計書作成、顧客とのメールのやり取り、顧客との話題を提供するための訪問ツールの作成を行うことができるものであり、パソコンが貸与されていない営業職員にとっては、これらの作業を行うためには本件携帯端末を用いる必要があったが、2018年7月に保険契約締結手続自体が電子化されて本件携帯端末にて行われるようになる前は、本件携帯端末を用いなくても営業活動を行うことが可能であり、同年6月までは、本件携帯端末は常時必携ではなく、その使用も義務付けられているものではなかった

そうすると、乙第20号証の貸与申込書の成立の真正について、これを否定するに足りる十分な反証があるとはいえず、Xは、2012年7月頃、Yとの間で、本件携帯端末(Lief)の貸与及びその月額使用料を給与引去りの方法により支払う旨の合意をしたものと認められ、2012年10月分から2018年6月分までの本件携帯端末使用料については、この合意に基づいて賃金から控除されたものといえる。

イ 機関控除金に係る費用(2012年10月分から2020年3月分まで)について

 〔1〕機関控除金に係る物品等の費用と、〔2〕募集資料コピー用紙トナー代とに分けて検討する。

(ア)機関控除金に係る物品等の費用

 機関控除金に係る物品等は、各営業職員が、所定の注文書等を用いて注文するところ、当該注文書又は当該物品のチラシには、当該物品等の単価が明記されており、当該営業職員は、予め物品等の購入代金を把握した上で注文するものである。各営業職員は、本件携帯端末の画面上で、給与・報酬支給明細書や機関控除金・斡旋物品代明細リストを確認することにより、賃金から控除される機関控除金の金額や内訳を確認できる。

 Xは、1993年3月にYの営業職員となって以降、営業活動費は自己負担である旨が記載された勤務のしおりを毎年4月に交付され、Xの請求期間の始期である2012年10月に差し掛かるまでの約20年弱の間、機関控除金に係る物品等について、当該物品等を注文すれば、Xの給与から当該物品等の代金が引き去られることを承知の上、所定の注文書等により注文をしてきており、その状況下で、上記請求期間中も引き続き注文をしていたのであるから、XとYとの間で、その注文の都度、機関控除金に係る物品等について、当該物品等をXの費用負担で購入し、当該購入代金をXの給与から引き去ることについての個別合意が成立したといえる。

この点、Xは、機関控除金に係る物品はYから自己負担での利用を強制されていたもので、合意はしていない旨主張するが、営業活動において機関控除金に係る物品を利用するか否かについては、Yからの推奨はあるものの、最終的には各営業職員の判断であり、その利用が義務付けられていたことまでを認めるに足りる証拠はない

 もっとも、Xは、2018年11月27日、Yq3支社総務部長に対し、2019年1月から、封筒代、京都おすすめスポットカレンダー代及びオーナーズ通信代が給与から控除されることについて同意できない旨、賃金から何らかの金員を控除するに当たり、朝礼で説明したことをもって同意したとは認められない旨を通知しており、同月からの賃金控除について明示的に異議を述べたことが認められる。また、Xは、2018年12月25日、Yq3支社総務部長を経由してコンプライアンス推進室長に対し、封筒代及び募集資料コピー用紙代の賃金控除に関して疑問を呈して質問する通知書を提出している。これらの事実によれば、少なくとも2019年1月分以降については、Xの賃金から控除することについてXが同意していたと認めることは困難であるといわざるを得ない。

以下においては、個別合意が成立したと認められる期間(2012年10月分から2018年12月分まで)について、Xが主張するようなXの真意性を否定すべき事情が存するか、機関控除金の各費目ごとに検討する。

a スミセイウィークリー代は、Yにおいて新規開拓の際に使用が推奨されているチラシ代である。情報料を除いて1部5円という金額が不相当であるとはいえず、値上げの理由も消費税増税に伴うものである(前記認定事実(4)ウ(ア))。

b オーナーズ通信代は、Yにおいて新規開拓の際に試用が推奨されている月1回発刊される定期訪問ツールの費用である。オーナーズ通信の単価について特に不合理な点は認められない(前記認定事実(4)ウ(イ))。

c 花代は、Yにおいて推奨されている花一輪活動に使用する花の代金であり、当該花の代金は、花屋から請求されている金額と一致しており、不相当ともいえない(前記認定事実(4)ウ(ウ))。

d 封筒代、切手代については、Xが疑義を呈した結果、どのような場合に営業職員から控除されるかが明示されることとなった(前記認定事実(4)ウ(エ)、(6)イ)。

e ふぉーゆークラブ代は、既契約者に対する年賀状代等に係るものであり、その代金に不合理な点は見当たらない(前記認定事実(4)ウ(オ))。

f 京都おすすめスポットカレンダー代は、毎月顧客に配布するカレンダーの代金であり、1部当たりの単価も不相当とはいえず、値上げの理由も消費税増税に伴うものである(前記認定事実(4)ウ(カ))。

g こども絵画コンクールオリジナルカレンダー代は、こども絵画コンクール参加者の応募作品をカレンダーにする際にかかる費用で、Yにおいて作成が推奨されているものの、作成が強制されたとまで認めるに足りる証拠はない(前記認定事実(4)ウ(キ))。

h 常備薬代は、Yの営業職員が日常生活で使用する常備薬となるものの斡旋にすぎず、Yにおいて購入が強制されているものではない。常備薬代として支出した費用は、Xの私的利用のための費用であると解される(前記認定事実(4)ウ(ク))。

i JAIFA年会費、オール住生会会費は、Yの勧めで加入した外郭団体の会費であり、Xの費用で会費を負担すべきものであり、特段不合理な点は見当たらない(前記認定事実(4)ウ(ケ))。

j 異業種交流会費用は、Yの開催したイベントに参加した顧客の参加費又はキャンセル費用である。2018年度以外は、キャンセル費用以外の費用負担はなく、同年度も一部負担にとどまっていたのであることに加え、異業種交流会に係る実費を踏まえると、営業職員の負担が過度であるとまではいえない(前記認定事実(4)ウ(コ))。

 以上検討したところによれば、いずれの費目についても、Xの自由な意思に基づく個別合意であったことを否定するまでの事情は認められない。

(イ)募集資料コピー用紙トナー代

 募集資料コピー用紙トナー代については、2018年12月まで、休職中などコピーを行う余地のない営業職員を除き、Xを含む全営業職員の給与から、毎月定額2000円が控除されていた(前記認定事実(4)エ)。

そうすると、募集資料コピー用紙トナー代は、上記(ア)の物品等の費用とは異なり、各営業職員がその判断に応じて注文するものではなく、印刷量の多寡にかかわらず、休職中などでない限りは、全営業職員に一律に定額で課される負担金であるといえる。

このような負担金について、XとYとの間で個別合意があったことを認めるに足りる証拠はなく、また、前記の賃金全額払の原則の趣旨からすれば、その有効性を認めることも困難であるといわざるを得ない。

ウ 会社斡旋物品代(2012年10月分から2020年3月分まで)について

会社斡旋物品代には、本件携帯端末を使用して斡旋注文システムを利用して注文する定期刊行物等の代金と、スミブツドットコム又はファクシミリを使用して注文する用度品の代金があるところ、いずれの方法を用いても、住友生命販促品総合カタログ又は注文の際に使用するシステムにおいて、物品の単価を各営業職員において把握することができ、その上で各営業職員において注文するものである。また、各営業職員は、機関控除金の場合と同様に、本件携帯端末の画面上で、給与・報酬支給明細書や機関控除金・斡旋物品代明細リストを確認することにより、賃金から控除される会社斡旋物品代の金額や内訳を確認できる。

そうすると、前記イ(ア)で認定した機関控除金と同様に、Xは、1993年3月にYの営業職員となって以降、営業活動費は自己負担である旨が記載された勤務のしおりを毎年4月に交付され、Xの請求期間に差し掛かるまでの約20年弱の間、会社斡旋物品について、当該物品を注文すれば、Xの給与から当該物品の代金が引き去られることを承知の上で注文をしてきており、その状況下で、上記請求期間中も引き続き注文をしていたのであるから、XとYとの間で、その注文の都度、会社斡旋物品について、当該物品をXの費用負担で購入し、当該購入代金をXの給与から引き去ることについての個別合意が成立したといえる。

この点、Xは、会社斡旋物品はYから自己負担での利用を強制されていたもので、合意はしていない旨主張するが、営業活動において会社斡旋物品を利用するか否かについては、Yからの推奨はあるものの、最終的には各営業職員の判断であり、その利用が義務付けられていたことまでを認めるに足りる証拠はない

また、Xは、定期刊行物であるレタスクラブやゴルフ誌ワッグルについて、10冊単位での購入が義務付けられており、購入を強制されていたと主張するが、2019年7月及び8月に、Xは、レタスクラブ11冊、ゴルフ誌ワッグル3冊を注文していること(乙95の1・2)、2021年6月には、Xは、レタスクラブ7冊、ゴルフ誌ワッグル2冊を注文し、支部での取りまとめで10冊単位となっているから「OK」とされていること(甲73)などを踏まえると、営業職員個人で10冊単位で注文することが義務付けられていたとはいえない。

もっとも、前記イ(ア)で判示したとおり、Xは、2019年1月からの賃金控除について明示的に異議を述べたことが認められるから、少なくとも同月分以降については、機関控除金に係る費用と同様に、会社斡旋物品代についても、Xの賃金から控除することにつきXが同意していたと認めることは困難であるといわざるを得ない。

エ 以上によれば、本件費用については、募集資料コピー用紙トナー代を除き、2018年12月分までは、いずれも有効な個別合意が成立していると認められるが、2019年1月分以降については、個別合意の存在を認めることはできない。

(4)Yの就業規則について

ア Xは、Yの旧就業規則には、本件費用を控除することを定めた規定がなかったことから、旧就業規則が改正される2020年2月20日までは、就業規則の最低基準効により、本件費用を控除する旨の合意は無効であると主張する。

しかしながら、就業規則に記載がないという本件の場合には、最低基準効の問題ではないと解され、Xの上記主張は採用できない。

イ 次に、Xは、新就業規則への本件改定は労働条件の不利益変更であるから無効であると主張するので検討する。

前記(1)で判示したとおり、本件雇用契約締結時に、XとYとの間で本件合意が成立したとはいえないから、本件改定はXとの関係では不利益変更に当たるものと認められる。

この点、Yは、本件改定について、Yと営業職員との間の雇用契約に営業職員が営業活動費を負担することが含まれていることを前提に、従前の取扱いを明文化したものにすぎないから不利益変更に当たらない旨を主張するのみで、本件改定の不利益変更としての有効性については十分な主張立証をしていないことに加えて、新就業規則の施行日は証拠上不明であるところ、2020年2月20日以降の日であると考えられることからすれば、同月に係る本件費用の控除がされる同年3月分(Xの請求期間の終期)までは、いずれにしても本件改定に係る規定の適用はないものと認めるのが相当である。

(5)以上によれば、本件費用については、募集資料コピー用紙トナー代を除き、2018年12月分までは、いずれもXとYとの間で有効な個別合意が成立していると認められるが、2019年1月分以降については、個別合意の存在を認めることはできない。



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