米資本。日本唯一の事業所(名古屋工場)の閉鎖、解散。30名の解雇。
解雇有効。不当労働行為否定。14回の団体交渉。
2019年
6月14日 2方針説明会(午前組合、午後全体)
12月18日 閉鎖決定通知
2020年
8月24日 解雇予告通知(9月30日付け解雇)
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【事業】
△△グループでは、グループの複数法人からの役員及び従業員で構成され、特定法人に属しない「事業部」で事業を管理している。名古屋工場は、○○事業部(以下「○○」という。)の所管する工場である。被告は、○○を基本とする△△グループの事業部からの製造指示により製造した製品を、a社を含む各国の△△グループの法人に販売している。
【解雇の合理性】
これに対し、原告らは、被告の経営状況からすれば、名古屋工場閉鎖の必要性はなく、設備投資は閉鎖の口実にすぎないと主張する。しかし、前記のとおり、被告が名古屋工場閉鎖を決定したのは、名古屋工場の継続に必要な安全性改善等のための設備投資が受けられず、事業を継続することができないためであり、被告の経営状況を直接の原因とするものではないし、○○テックセンターが名古屋工場を含む全ての工場について安全性を評価し、設備投資の必要額の見積りをした経緯からして、設備投資が口実にすぎないと認めることはできず、原告らの上記主張には理由がない。
【交渉当事者】
原告らは、被告が名古屋工場閉鎖の決定権限がないにもかかわらず、形式的に団体交渉を継続したと主張する。しかし、現に名古屋工場を操業し、原告組合員らの使用者である被告が原告3労組との団体交渉の主体となるべき者であることは明らかであり、団体交渉の一部では、○○及び△△グループの担当者が出席する機会が設けられたことにも照らせば、被告のみが使用者側の団体交渉の主体として対応したこと自体は、交渉の不誠実性を基礎付けるものとはいえない。
【利益状況資料の不開示】
被告は、被告とa社<親会社>との取引における利益の配分状況に関する資料について、原告X13支部からの開示の求めに応じなかったことが認められるが、上記利益の配分状況について直ちに提出可能な作成済み資料があったことはうかがわれないこと、被告は、利益配分が恣意的になされている可能性があるとの疑念については、資料を作成できない理由とともに、a社との取引について、恣意的に被告の利益を操作できる構造でないことを説明していること、被告は経営状況を説明するための資料として、決算報告書を開示していることを併せ考えれば、上記利益の配分状況に関する資料の求めに対し、被告が不誠実な対応をとったとはいえない。
【検討情報秘匿】
原告らは、被告が、被告の経営状況を操作したことを隠すため、□□プロジェクトでの工場閉鎖の検討を秘匿したと主張する。□□プロジェクトでの会議の議題によれば、○○及び被告は、平成29年頃以降、名古屋工場の閉鎖を想定した議論をしていたことがうかがわれる。しかし、工場閉鎖による影響の大きさを考えれば、説明会の実施前に従業員に対して工場閉鎖を検討中であることを明かさないことは不合理ではなく、被告の経営状況を操作する目的で工場閉鎖の検討を秘匿したということはできない。また、原告らは、平成30年6月22日、被告が「工場閉鎖については聞いていない」との回答をしたことが虚偽であるとする。しかし、被告の経営陣において工場閉鎖の検討をしている段階で、直ちに従業員に対して開示する義務があるとまではいえず、その後、被告が工場閉鎖決定の6か月前に正式に説明をした点を考慮すれば、上記回答をもって被告の対応が誠実性を欠くとまではいえない。
【設備投資額の水増し】
原告らは、設備投資額約33億円に、プロセス安全対策に不要な設備投資が含まれており、個別の見積額についても過去に示された見積額よりも大幅に増額していることから、設備投資額が水増しされていると主張する。しかし、被告は、当初の説明会の資料においても、投資の内容として生産能力増強のための付帯設備など、プロセス安全対策以外の内容を含むことを記載しており、団体交渉においても設備投資額にプロセス安全対策以外の工事が含まれていることを認めているから、虚偽の説明をしたとは認められないし、一定規模の設備の改修を行う際に、投資効率の観点から近い将来必要となる改修も併せて行うことは不合理なものではない。また、被告が、設備投資をするに当たって、どのような性能、規模の設備を導入するかについては、経営判断に関する事項であるから、被告又は○○が見積もった設備投資が、原告らが想定する設備投資額を上回ったとしても、不合理であるということはできないし、過去の見積りに関しても、異なる時点での判断であり、必要とされる設備の内容が同一であるともいえないから、原告らの主張を採用することはできない。
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