2023年3月13日月曜日

高松テクノサービス事件・大阪地判R4.9.15・ジャーナル131-26

 反社会的勢力との関係を理由とする解雇 有効

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ア 解雇の必要性・合理性

前記認定事実のとおり、建設業界では、歴史的経緯から、反社会的勢力排除への取組を行っており、Yにおいても、Yが施主等との取引相手との間で取り交わされる覚書や契約書には、Yの使用人や従業員が反社会的勢力と不適切な関係を有しないことを約する旨の規定が置かれ、これに違反することは契約の解除事由とされていたことが認められる。

すると、Xが暴力団幹部と交友関係を維持していると知りながら、Xを雇用し続けることは、Yにとって、施主等の取引先との間で締結し又は締結する契約全般について、解除される危険を生じさせるものであって、Yは、Xを解雇しなければ、事業の遂行自体に支障が生ずる状況にあったと認められる。

イ 解雇の相当性

Yにおいて反社会的勢力を排除する取組がされており、その従業員が反社会的勢力と関わりを持つことが許されないものであったことは、Yで働くXも当然理解していたと考えられるところ、前記認定事実のとおり、Xは、Cのことを暴力団の幹部であると知りながら、令和2年1月まで交友関係を維持していたことが認められる。

また、Xは、自らの自動車保険の保険金請求にCを関与させたことが認められる。他人への金銭の請求である保険金請求手続を行うに当たって、暴力団幹部と相談をするなどして関与させることは、私的な飲食といった行為と比べても、反社会的勢力との関わりとして避けるべき程度の高い行為であったということができる。

そして、Xは、詐欺未遂罪を被疑事実としてCとの共犯として逮捕、勾留されながら、本件解雇に至るまで、Y担当者に対し、Cとの関係について具体的な説明をしなかった。

ウ 小括

以上のとおり、Xは、Cが暴力団幹部であることを知りながら交友関係を維持して保険金請求手続に関与させ、詐欺未遂罪を被疑事実としてCと共に逮捕及び勾留をされながら、Cとの関係について具体的な説明をしなかったのであって、Yは、このようなXとの間の雇用関係を維持すれば、取引先との契約全般について解除される危険を負う状況にあったと認められる。

すると、Yに、Xを解雇する以外の選択をすることができたとはいえず、Xの本件交友等及びその後の経緯に照らして、これが社会通念上相当でないともいえないから、本件解雇は就業規則35条1項4号所定の解雇事由である「その他のやむを得ない事由」に当たり、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上の相当性を欠くものとも認められない。

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