内定取消による不法行為損賠請求 → 内定成立を否定して棄却
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原告は業務課長Eが平成29年10月6日に原告に対して本件業務に係る労働条件を提示して労働契約締結の申入れを行い、原告がこれを承諾したことによって、原告と被告との間に労働契約が締結され、被告による採用内定が成立した旨主張
確かに、業務課長Eは原告に対し遅くとも同月中旬頃までに本件業務の大まかな業務内容及び労働条件を説明して本件業務を紹介し、その後も原告とのやり取りを続け、原告が博多行きの新幹線乗車券を購入することを許可し、かつ、原告が同年11月1日から業務を開始することができるように、被告の九州支店との間で調整を行っていた
しかし
① 契約書取交し事実を認めることができない
② 労働条件明示書面の交付事実を認めることができない
③ 原告を採用する旨をメールで通知したとの事実を認めることができない
かえって
④ 原告は内定成立主張日の2週間以上後に近隣の勤務地における求人情報について業務課長Eに対して質問 → 労働契約締結の確定的な意思表示の合致と矛盾
⑤ 原告は同日業務課長Eに対し「ちなみに朝倉市は何か決まりました?」とのメッセージを送信 → 本件業務の業務内容ないし労働条件等が確定的に定まっていなかったことが推認 → 労働契約締結の確定的な意思表示の合致に疑問
⑥ 採用内定通知の発出なし
加えて、
⑦ 原告は平成29年10月24日業務課長Eに対し、本件業務には「今のところ」行くつもりである旨述べ、「今の所は言うのは雇用条件や詳細睨まんと分からんって意味ですよ。」とのメッセージを送信 → 原告は本件業務に従事する気はあるものの労働条件が明示された書面を交付されるまでは実際に本件業務に従事することになるかどうかは分からないとの趣旨と解釈される
⑧ 業務課長Eは原告が本当に福岡県朝倉市まで来る意思があるのか否か確認しようとし10月26日原告に対し架電・メッセージのやり取りをしたが原告は着任予定日の前日である同月31日の日中に福岡入りすることを拒否し同月30日には業務課長Eに対し福岡での就労には応じられない旨述べるに至った
→ こうした経緯に鑑みれば、本件業務の着任予定日であった平成29年11月1日が目前に差し迫っていた同年10月下旬頃の時点においてもなお、原告が被告に対して同年11月1日から福岡県朝倉市において本件業務に従事する意思を確定的に明示していたとは認め難い
結論 以上のとおりであって、本件に係る事実関係を前提とすれば、原告と被告との間において本件業務に係る労働契約を締結する旨の確定的な意思表示の合致があり、被告による採用内定が成立していたとの事実を認めることはできず、これに反する原告の主張は採用できない。
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