本社営業部長の管理監督者該当性 肯定
瓦・屋根材・壁材販売卸及び施工等を業とする株式会社
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職務内容、権限及び責任の重要性
・原告は、被告において上から3番目の地位にあった
・原告は、主要部門であるルート営業部の売上目標を立てている
・韓国での重役会議兼バカンス(代表者、専務、後継者、原告)に行く
・取引先600社に発行する市場・メーカー動向レポートの最終確認をする
・部門長会議のアジェンダ作成、司会進行・開会挨拶(他の挨拶・報告担当は代表者、専務のみ)→正に経営者と一体的な立場
・原告は、営業の根幹である商品の値段決定等に関する権限を有しており、さらに、被告の売上げの約40%に係る極めて重要な取引相手との取引について価格交渉を行っている。
・原告は、取引会社の担当者が参加するゴルフコンペを開催したり、取引相手や業界団体が開催する高額の飲食を伴う各種会合に参加したり、高額な旅行に参加する予定となっていたところ、以前は被告代表者が参加することもあったが最近は原告が参加していたというのであって、対外的に原告が被告を代表する立場にある人物として扱われていたことをうかがわせる
・原告は、被告従業員提出の退職届という重要な書類を受け取りそれをひとまず預かるなどの判断をしている
・原告は、従業員から提出された禀議書等の各種書類について決裁権限を有していたこと、従業員から交通事故や出社に関する報告を受けていたこと,賞与引当金に関して監査役とやり取りをし、賞与引当金の範囲内で部下の具体的な賞与額を決定していたこと、自らに係る仮払金処理を支出当日に申請・処理していること → 労務管理や経費処理について、一定の権限を有していたことがうかがわれる
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労働時間裁量
・原告は、タイムカードについて、出勤時にはおおむね打刻しているものの、退勤時には打刻していない
・平日に開催されたゴルフコンペに参加している
・ETC履歴を見ると、原告が就業規則において営業職の終業時刻として規定されている午後5時より早い時刻に自宅近くのICを通過している(調査嘱託の結果)
・午後5時より早く退社する場合であっても、理由を聞かれていない
→ 労働時間について一定の裁量を有していたといえる
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待遇
・原告、P10取締役、P3の月額給与・報酬のうち原告が最も高い(約2万円程度ではあるが、取締役より高い)
・年収で見ても600万円から670万円という金額
・原告の下位に配置されているP3と比較すると、平成28年及び平成30年では100万円程度原告の方が多い(差が小さい平成29年は本社ルート営業部の業績が悪い時期であることが影響)
・また原告は運転代行を利用することが認められていた
→ 年収で比較した場合P10取締役の方が原告より高額になることなどを考慮しても管理監督者としてふさわしい待遇であったと評価することができる。
・原告は、賃金センサスの「全男性」、「50歳から54歳」の年収額と比較すると、原告の年収が平均賃金を下回るから、管理監督者として十分な待遇ではない旨主張する。しかし、賃金の額は企業の規模によって異なるものであって、大企業と中小企業との間に賃金格差があることに照らせば、賃金センサスの「全男性」の年収額をもって、原告の待遇が管理監督者としてふさわしくないものの証左であるということはできない。
以上を総合考慮すれば、原告は、管理監督者の地位にあったと認めることができる。
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