2023年1月10日火曜日

阪神高速トール大阪事件・大阪地判R3.3.29・労判1273-32

規則上の セクシュアルハラスメント該当性

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本件において、原告(男性)がP主任(女性)に対し、平成26年及び平成27年頃、少なくとも3回、使用後はトイレの便座を上げるよう伝えたことは原告も認めるところである。

原告は、本件発言には性的な意味が含まれないから就業規則14条1項の「性的言動」(セクシュアルハラスメント)には当たらない旨主張する。

しかしながら、

本件マニュアルには、「女性だから・・・」という性別により役割分担すべきとする意識に基づく言動を言います、と定められていること

に照らせば、

本件就業規則14条1項の「性的言動」(セクシュアルハラスメント)には、「女性だから・・・」と性別により役割分担すべきとする意識に基づく言動も含まれると解される。

しかるところ、

原告がA部長及びB部長に対して「男性トイレを使うのに下したものをなんで上げてくれないのかなどといった話を繰り返した」こと、「Pさん、基本、男性用やから、男性用使わしてもらんやからー、下したもんは、上げといてよ」などと発言していることに照らすと、

本件発言は、女性が男性も使用するトイレを使用した場合には、後に使用する男性のために便座を上げるべきという、性別により役割分担すべきとする意識に基づく言動に他ならないと認められ、

本件就業規則14条1項の「性的言動」(セクシュアルハラスメント)に該当する。

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マニュアルに記載がなかったらどうなっていたか。

本件発言は不相当ではあるが、これは「性別により役割分担すべきとする意識に基づく言動」に他ならないといえるのか。もう一歩つなぐ言葉(職場における男性中心価値観)が必要ではないか。職場における不当な男性中心価値観に基づいた不当な性別役割分担意識による発言。

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