締結済みの定年後再雇用契約の、開始前の解除の有効性
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高年法改正により、継続雇用を希望する定年到達者全員を65歳まで継続雇用することが義務付けられたのであり、その趣旨は、老齢厚生年金の受給開始年齢までの収入を確保することにあると解される。
そして、
「高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針」の内容をも踏まえると、
心身の故障のため業務に堪えられないと認められることや、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等の就業規則に定める解雇事由又は退職事由に該当する場合に限り、例外的に継続雇用しないことができる
が、
労使協定又は就業規則において、これと異なる基準を設けることは、平成24年改正後の高年法の趣旨を没却するものとして、許されないと解するのが相当である。
以上に検討したところによれば、
被告における継続雇用制度は、平成24年改正の趣旨を踏まえ、基準年齢に達するまでは、本件労使協定に定める基準を適用することなく、解雇事由又は退職事由に該当する事由がない限り再雇用し、基準年齢に達した後は、本件労使協定に定める基準を満たす者に限って65歳まで再雇用する旨定めるものと解釈すべきである。
これに対し、被告は、
高年法は私法上の効力を有するものではなく、事業主に個々の労働者に対する再雇用義務を直接課すものではない旨主張する。
しかし、
本件においては、被告に、継続雇用制度に関する就業規則や労使協定が存在している上、原告と被告との間で本件合意が締結されているのであり、上記就業規則及び労使協定並びに本件合意を解釈するに当たり、高年法の趣旨を考慮することが許されないものではない。
本件解除は無効である。
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契約内容は既に決まっていた事案(地位確認請求認容)。
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